第一生命保険(東京都)は2日、西日本マーケット統括部徳山分室(山口県周南市)に勤務していた80代の女性営業社員(特別調査役)が、客に架空の金融取引を持ちかけて不正に資金を集めていたと発表した。被害を受けた客は少なくとも21人、被害額は計19億円に上るという。同社は山口県警周南署に詐欺容疑で刑事告発した。
同社によると、この社員は10年ほど前から今年4月にかけて山口県内の自分の顧客を訪ね、「高金利が適用される特別枠で運用する」と架空の資金運用を持ちかけ、金を集めていたという。1人あたりの被害額は数百万~2億8千万円。今年6月上旬に客の1人から申し出があり、社内調査をして判明。同社はこの社員を7月3日付で懲戒解雇処分にした。
同社は19億円のうち、一部を立て替えて被害者に返却しているという。広報部は「警察の捜査に全面的に協力し、全容解明に向けた調査、再発防止を図るべく真摯(しんし)に取り組む」としている。被害の相談窓口は電話(0120・157・640)。(伊藤宏樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル